犬島とは
岡山市の南東、宝伝地区の沖合い約2.8kmにある、周囲約3.6kmの小さな島で、岡山市、唯一の離島です。犬島は犬島本島と犬ノ島、地竹ノ子島、沖竹ノ子島、沖鼓島、白石島の6つの島々からなっており、有人島は犬島本島のみとなっています。古くから良質の花崗岩の産地として、全国に知られている島で、岡山城、大阪城、江戸城などでも犬島産の石が使われていました。明治から大正にかけては銅精錬所が操業し、およそ4000人が生活する活気にあふれた島でした。ところが銅精錬所の閉鎖を境に徐々に人口が減り始め、現在は、レンガ造りの廃墟(銅精錬所跡)と多くの空き家を残して、平均年齢75歳、約50名が暮らすばかりの島となっています。犬島は映画のロケ地としても使われており、2000年以降は様々なアートイベントが行われてきました。2004年からは毎年夏に「犬島時間」が開催され、2008年4月には、銅製錬所跡に犬島アートプロジェクト「精錬所」がオープン。アートの島としても活気づいています。
精錬所跡
島の東南部に静かにたたずむ銅精錬所跡。岡山の坂本金弥氏が明治42年3月に開設創業し、最盛期にはおよそ4,000人も人が生活していました。港にはたくさんの船が行き交い、商店、料理屋、旅館なども立ち並び、夜遅くまで三味線や太鼓の音が鳴り響く、活気のある島でした。精錬所には自家発電所も設けられ、会社関係住宅には電灯もついていたそうです。しかし、大正時代のインフレで銅の価格が大暴落。大正8年3月に閉鎖されました。その後は、ツタや草木に浸食されながらも、当時のままの姿を残している精錬所の魅力に惹かれ、多くの人が訪れていました。そして、2008年4月、精錬所跡は犬島アートプロジェクト「精錬所」として生まれ変わりました。
犬の島
犬島本島の西、犬ノ島の山頂にある高さ約3.6m、回り約7.2mの犬の形に似た大きな石は、菅原道真とゆかりのある犬石明神として、古来より島民によって崇敬し、祀られています。道真が左遷され、筑紫国(九州の大宰府)へ下向の際に嵐となり、犬の鳴き声を頼りに船を進めたところ、この島に辿り着き、一命をとりとめました。そこには、犬ではなく、犬の形をした大きな石があったのでした。かつて道真が熊野神社に参拝した際に、渡し守りに預けていた愛犬がいました。その愛犬は、砂1合食べると金1両生むという犬でしたが、死んでしまったので紀ノ川へ流したところ、さらに流れて瀬戸内海の島に辿り着き、そこで大きな犬の形をした石となり、道真を助けたと言われています。この話が伝説となり、犬島の名の由来となりました。犬ノ島は岡山化学工業の所有で普段は参拝できませんが、5月3日のみ「犬石祭り」の日として、自由に参拝することができます。
犬島貝塚
2008年4月、犬島本島の西に浮かぶ「地竹ノ子島」で瀬戸内最古級の貝塚が確認されました。備讃瀬戸で半世紀ぶりに発見された縄文早期の貝塚です。海水と淡水が混じっており、貝層が汽水域産のヤマトシジミなどから成っていることが特徴。地球温暖化により、それまで陸地だった瀬戸内地域に海水が進入し、瀬戸内海ができたということを示す遺跡と見られています。犬島貝塚の貝層は台風や波浪浸食により崩落が進んでいるため、犬島貝塚調査保護プロジェクトチームによる調査、保護活動が進められています。2008年〜2010年には、島民と犬島貝塚保護プロジェクトチームの協力のもと、犬島時間の企画として、犬島諸島を小型船で巡る「無人島上陸ツアー」を開催し、犬島貝塚を見学するなど、多くの人が訪れました。2012年2月には、貝塚の一部が雨風によって崩落しているのが発見されています。










